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RoHS規制物質含有分析・フタル酸エステル分析

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 RoHS規制物質含有分析・フタル酸エステル分析

欧州 RoHS指令(RoHS2)にて、従来の禁止物質6物質にフタル酸エステル類4物質が追加された2011/65/EUのAnnexⅡを置き換える(EU)2015/863が公布、 これにより、2019年7月以降EUに上市される電気電子機器(electrical and electric equipment: EEE)への使用が制限が開始しました

 

製品含有化学物質の法規制対応。材料分析機関としてお手伝いいたします


RoHS規制を知りたい

フタル酸エステル類が制限される理由は?RoHS規制をクリアするためにしなければならないこととは?

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RoHS規制に対応したい

フタル酸エステル類とは?フタル酸エステル類が使用されている場所は?

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当社の分析内容

フタル酸エステル分析法の国際規格に対応したフローで分析していますか?

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どんな分析事例がありますか?

分析事例  

分析機関としては、富士通製EEE(電子機器)の品質を保証すべく、RoHS規制より重金属4種、臭素系難燃剤2種の受託分析を数多く実施しています。
RoHS2対応においても、富士通製品の品質を支え続ける分析技術で、購入部材から副資材まで受託分析し、お客様のRoHS2規制対応を確実なものとすることを支援いたします。

 

 

RoHS規制を知りたい


RoHS規制による使用制限の概要は?

電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州議会及び理事会指令
RoHS(Restriction of Hazardous Substances)
規制値:含有量0.1wt%(1000ppm) *Cdのみ0.01wt%
規制開始 種類 物質名

2006年7月1日
重金属 鉛(Pb)、 *カドミウム(Cd)、
水銀(Hg)、6価クロム(CrVI)
臭素系難燃剤 ポリ塩化ビニル(PBB)
ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)

2019年7月22日
塩化ビニル樹脂などの 可塑剤
(フタル酸エステル)
フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHP)
フタル酸ブチルベンジル(BBP)
フタル酸ジブチル(DBP)
フタル酸ジイソブチル(DIBP)

※今後、RoHsの規制物質としてMCCPs、TBBPAの追加が見込まれます<2023年8月現在)

RoHS2規制でフタル酸エステル類が制限される理由は?

フタル酸エステル類は、内分泌かく乱性や生殖毒性、発がん性など、ヒトへの悪影響が懸念される物質です。こども向けの製品(おもちゃ)については、一部物質が既に下記の規制を受けています。

  • EU Directive 2005/84/EC(2005)
  • USA 消費者安全改善法 CPSIA(2008)
  • 厚生労働省告示第336号

また、EU REACH規則でもDEHPを含むフタル酸エステル類の一部が高懸念物質(SVHC)に指定されています。

 

RoHS2規制を確実にクリアするためには?

製品の製造者は、まず自社製品に含有の可能性のある素材をしっかりと把握する必要があります。改正以前のRoHS指令への適合評価プロセスに、フタル酸エステル類4物質を加え、サプライヤ情報の収集や実態管理による対応が必要となります。さらに、製品へのフタル酸エステル類の混入を確実に防ぐため、購入部材の評価だけでなく、製造工程の見直しによって製品への混入を確実に防止する必要もあります。

 

RoHS2規制に対応したい


フタル酸エステルとは

フタル酸エステル類とは、フタル酸とアルコールがエステル結合した化合物の総称です。主に塩化ビニルなどプラスチックを柔らかくするための添加剤(可塑剤)として用いられます。
フタル酸エステル類の一般構造を下図左に示します。無水フタル酸にアルコールを脱水縮合し、エステル結合の先にR1,R2の飽和炭化水素群の側鎖を持つ構造です。例えば、R1=R2=(2-エチルヘキシル)を持つ構造は、代表的な可塑剤として知られている「フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)」(略号:DEHP, 下図右)です。

フタル酸エステル類の構造

 

フタル酸エステル類はどのようなところで使用されている?

フタル酸エステル類の電気電子機器特有の主な用途

  • PVC(ポリ塩化ビニル)被覆ケーブルや被覆スリーブなどの配線部品です。
    その他にも外装や基板などに用いられるゴムやテープ、フィルムなどのあらゆる軟質樹脂部品に含まれる可能性があります。

フタル酸エステル類による思わぬ汚染

  • フタル酸エステル類には、接触により他の製品に移行する性質があります。このため、RoHS2の制限対象外である電気電子機器に接触する副資材や治工具類にも注意が必要です。
    樹脂・ゴム製包装材やケーブルのリール、静電マット、コンベアベルトなどに含まれていた場合にも、条件によっては製品に移行して汚染するリスクがあります。

 

当社の分析内容


当社は、複雑な電子機器の分析経験が豊富な分析機関であるだけでなく、代替材料を使用した製品の、信頼性評価/不具合解析に実績があります。
さらには、規制管理体制の構築/診断支援、教育も行っています。

製品含有化学物質の法規制に関するサービス

 

分析の流れ

RoHS2規制に向けた検査のためのフタル酸エステル分析法の国際規格である、IEC 62321-8(2017年3月28日発行)に対応したフローで分析を実施します。

IEC 62321-8(2017年3月28日発行)に対応した分析フロー

分析フロー

スクリーニング分析

Py-GC/MS「熱抽出法」

Py-GC/MS
Py-GC/MS「熱抽出法」の特徴である、サンプル直接投入による分析手順の簡素化により、短納期でおよその含有量を定量します。

報告書(スクリーニング分析)

 

詳細分析(精密定量法)

溶液抽出GC/MS法

溶液抽出GC/MS法
ソックスレー法または再沈殿法でサンプル中のフタル酸エステルを確実に抽出し、より定量性の高い分析結果をご報告します。

報告書(詳細分析:精密定量法)

 

分析事例


可塑剤の分析

使っている電線の使用感に差があり、サプライヤに確認したところ特に材料は変えていないとのことでした。
本品の可塑剤を溶媒抽出-GC/MS分析した結果、電線AはDEHPが、電線Bは代替材料であるTOTMが使用されていることが 明らかになりました。

可塑剤の分析

 

移行性の分析

装飾用のシート材料で、シートに接している部分が溶けて不良化した事例です。その時点で可塑剤(フタル酸)の影響はある程度予想されましたが、接している側の材料の情報が得られないため、実際に溶けてない部分を測定してみるとフタル酸エステル類が大量に検出されました。

移行性の分析

 

この場合、移行により相手を汚染しトラブルに発展する可能性が高いと言えます。逆に、汚染を受ければ自社製品の使用材料に問題がなくても製品からフタル酸エステル類が検出されてしまいますので、注意が必要になります。