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ユーロフィンFQL株式会社 >> 安全性検証 >> バッテリの不具合と未然防止

バッテリの不具合と未然防止

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リチウムイオンバッテリに代表される二次電池。使用シーンが増加していますが、発煙発火事故の発生は後を絶ちません。このページでは、リチウムイオン電池を例として、リチウムイオン電池の不具合に関し『素朴な疑問』に回答しながら、評価の重要性をご説明致します。

リチウムイオンバッテリの種類と不具合

 

バッテリのタイプにはどのようなものがありますか?それぞれの特徴は?

簡単にと整理するとこのようにまとめられます。

 

円筒型

角型

ラミネート

電解液

液体

液体

液体/ゲル

外装

金属缶

アルミ缶

アルミラミネート

形状自由度

×

×

外装強度

×

 

バッテリの不具合にはどんなものがありますか?

  • 機能/信頼性 短寿命、満充電出来ない、膨れなど
  • 安全性    異臭、発煙、発火など

リチウムイオン電池の膨張と焼損事故

リチウムイオン電池の膨張(左)、焼損事故(右)

バッテリの膨れ(膨張)

 

なぜリチウムイオンバッテリのアルミラミネートタイプに膨れが発生するのですか?

リチウムイオンバッテリは、円筒型のバッテリに比べ、形状の自由度が高く薄型化に向いてるのが特徴です。
電解液がゲル状であり漏液が無いため、外装が薄いアルミラミネートでできています。このため、膨張が顕著に発生します。(円筒型などもガスが発生しますが、外装強度や圧力弁により顕在化しにくい)

バッテリの膨れる(膨張する)要因は?

水分の侵入、高温環境に放置された場合、過充電(充電状態で放置)、過放電(バッテリ電圧を低い電圧の状態のまま放置)などがあります。

膨張の原因調査方法や、膨張の発生を見極める試験にはどんなものがありますか?

  • 外観/X線確認(穴あき、異物がないかなどの検査)
  • 高温放置試験
  • 過充電試験
  • 過放電試験

など。

 

バッテリの発煙発火(焼損)

 

バッテリ発煙(発火)の発生要因は?

バッテリは、まずバッテリセルを製造し、それを組み合わせてバッテリパックとしています。一般的にはバッテリセルとバッテリパックは別の工場(サイト)で製造されます。発煙発火を考える時、下記の要因に分けられます。

  • 設計要因:バッテリセル設計起因、バッテリパック設計起因
  • 製造要因:バッテリセル製造起因
  • 使用環境要因

バッテリの安全性を向上させるために大切なことは?

異常発生時に検出/保護機能で停止させる、潜在的に点火源をなくす(※)、発熱などに対する耐量をあげる(材料選定)などが重要になります。

 ※燃焼の三要素は可燃物、酸素供給減、点火源です。潜在的に点火源をなくすことが重要になります。

  • Step0  バッテリは潜在的に可燃物に満たされています(可燃物)
  • Step1 内部短絡等何かしらの要因で発熱します(点火源)
  • Step2 温度上昇に伴い正極が崩壊、酸素が発生(酸素)

バッテリが発火に至るプロセス

バッテリの発火に至るプロセス(一般的な例)

 

バッテリの安全性を保つために何が重要になりますか?

バッテリ発煙発火の発生要因ごとに未然に防ぐために重要なことは、

  • バッテリセル設計起因 :バッテリパックの安全設計評価(充放電制御回路、保護回路の動作確認ほか)
  • バッテリセル製造起因 :リチウムイオン電池の安全性耐量(内部構造設計の安全対策、発火に至る耐量確認ほか)
  • バッテリパック設計起因:量産製造工場の工程監査
  • 製造後の外部要因の確認:実使用環境を想定したサイクル試験や各種分析  など

 

ユーロフィンFQLで受託するバッテリの評価、不具合解析

安全性評価について

専用設備での電池の発火耐量測定、保護回路を回路図と現品評価の両面での検証を受託致します。実使用環境を想定したサイクル試験や各種分析も受託可能です。

詳しく見る

バッテリユニットの故障解析

X線解析や解体解析から安全対策の設計不備や異常を検出致します。

解析の流れ(例)

  1. 外観/X線観察、特性確認(電圧、インピーダンス)
  2. バッテリパック基板確認
  3. 充放電試験(パック仕様書条件。容量測定)
  4. 解体解析(内部構造、電極等の確認)

※上記は一例にすぎません。実際は現物を確認の上、適切な試験をご提案致します。また、膨張の場合は解体前に発生ガスの分析の対応も可能です(外部委託)。