PCOR-SIMS|Point by point Corrected SIMS

分析概略
PCOR-SIMS:高精度マトリックス補正による次世代Enhanced SIMS解析
PCOR-SIMSとは
PCOR-SIMS(Point-by-point Corrected SIMS)は、ユーロフィンEAGが長年蓄積した膨大なデータとノウハウを凝縮し、独自に開発した高度な分析アルゴリズムです。
従来のSIMSでは、材料(マトリックス)の組成が深さ方向で変化する場合、感度係数やスパッタリングレートの変動により正確な定量が困難でした。PCOR-SIMSは、深さ方向の全測定ポイントに対して補正を実行することで、組成変化を伴う複雑な積層構造においても、極めて精度の高い深さ方向プロファイルを実現します。
PCOR-SIMSが解決する課題
- マトリックス効果の完全排除:組成比が連続的に変化する傾斜構造や、異種材料の界面においても、不純物濃度の不連続な段差(アーティファクト)を解消。
- 深さ精度の極大化:層ごとに異なるスパッタリングレートをポイントごとに補正し、ナノスケールでの正確な深さ決定が可能。
- 真の濃度分布の可視化:補正なしでは歪んでしまうプロファイルを本来の形状に復元し、確実なデバイスシミュレーションデータを提供。
*各分析手法の分析深さはSMART Chartからご覧いただけます。
用途事例
- 化合物半導体中のドーパント濃度・深さ方向分析
- 化合物半導体中のエピタキシャル層・膜厚分析
- Si基板中の極低エネルギーイオン注入分布評価(ULE-SIMS)
対象試料の事例
化合物半導体材料・デバイス(III-V族)
多層膜やヘテロ接合における「組成比」と「不純物」の同時・高精度評価。
- AlN / GaN / AlGaN(パワー・高周波デバイス):
- Al組成の変動に応じたMg、Si、C、Hの感度係数およびスパッタレートのリアルタイム補正。
- HEMT構造などの急峻なヘテロ界面における元素のパイルアップや拡散の正確な同定。
- InP / GaAs / InGaAsP(光通信デバイス):
- 多元系化合物における主成分組成の定量と、Zn、Be、Feなどのドーパントプロファイル評価。
- VCSEL等の複雑な多層反射膜(DBR)構造における膜厚と界面の精密解析。
SiGe(シリコンゲルマニウム)材料
Ge組成比に依存する不純物挙動を完全に可視化。
- Ge組成依存の補正:Geの含有率(0〜100%)によって劇的に変化するB(ボロン)やP(リン)の感度係数を、各測定ポイントで厳密に補正。
- SiGe/Si界面の解析:格子歪み制御のためのGe傾斜組成(Graded層)における、正確な不純物濃度分布の把握。
- 歪みSiプロセスの最適化:エピタキシャル成長中の意図しない不純物取り込みや、熱工程による再分布の追跡。
極浅接合(ULE)形成イオン注入分布評価
次世代のスケーリングに不可欠な、ナノメートルオーダーの注入分布評価。
- ULE(Ultra-Low Energy)注入の精密測定:B、P、Asなどを数keV以下の低エネルギーで注入した際の、極表面(<10nm)のプロファイル歪みを解消。
- 表面過渡領域の課題解決:通常のSIMSでは定量が不安定になる測定開始直後の領域において、PCOR技術により正確なドーズ量とジャンクション深さを算出。
- 歩留まり改善への寄与:活性化アニール前後のプロファイル変化を高精度に比較することで、拡散抑制技術の効果を定量的かつ視覚的に検証。
分析事例
分析に適した試料量/形状
- 形状:推奨10×10mm(厚み0.5~3mm)、最小8×6mm(厚み0.5~3mm)で表面鏡面仕上げ
(上記以外の形状・サイズについても対応可能です、弊社までご相談ください)
ダウンロード
技術資料
| アプリケーションノート PCOR-SIMSによる極低エネルギーBoronイオン注入試料の熱処理後の特性評価 |






