SEM・断面加工|走査電子顕微鏡分析

分析概略
SEM(走査電子顕微鏡)による基本解析技術
SEMは、細く絞った電子線を試料表面に照射し、放出される信号を検出して画像化する技術です。光学顕微鏡の限界を超えた高倍率・深焦点での観察が可能であり、半導体解析において以下の役割を果たします。
- 形状・微細構造観察: 数ナノメートル単位の配線パターンや、接合部のわずかな段差を鮮明に可視化。
- 組成コントラスト: 元素の違いによるコントラスト差(反射電子像)を利用し、異なる金属材料や異物の混入を迅速に判別。
- 元素分析(EDX): 特性X線を検出することで、特定の箇所に「何の元素が」「どれくらい」含まれているかを特定。
次世代パッケージ特有の課題を解決する「断面加工・観察」
従来の解析手法では困難だった、次世代パッケージ特有の「脆い素材」や「複雑な構造」に対し、弊社は独自の加工アプローチで応えます。
ガラス基板(Glass Core)等の脆性材料に対応
次世代の主流と目されるガラス基板や、極薄化されたシリコンダイなど、物理的な応力に弱いサンプルも破損させることなく断面化します。
- 独自の低応力切断・研磨技術により、加工時のクラックやチッピングを最小限に抑制。
- 多層配線構造を維持したまま、ナノメートルオーダーでの界面観察を実現します。
中空構造・空隙(Void)の的確な捕捉
MEMS融合パッケージや空冷構造、またはバンプ接合部の中空サンプルに対し、内部構造を潰すことなく正確にアプローチします。
- 独自の研磨技術やイオンミリング(CP法)の最適化により、空隙の形状をありのままに保持。
- 「見たい箇所」を逃さない高精度なターゲット加工で、不良原因(ボイド、デラミネーション等)を確実に捉えます。
高密度積層デバイスの精密評価
3D積層やチップレットなど、高密度化が進む配線パターンの微細化に対応。
- TSV(シリコン貫通ビア)やTGV(ガラス貫通ビア)の充填状態、バンプ接合界面の合金層成長プロセスを詳細に解析します。
解析の課題を、技術で解決へ。
「脆い材料なので加工中に割れてしまう」「中空部分が潰れて正しく評価できない」といった、次世代プロセス特有の課題に寄り添います。試作段階の条件出しから、市場不良の真因特定まで、弊社の解析技術をぜひご活用ください。貴社のデバイス構造に合わせた最適な加工・観察プランをご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。
※各分析手法の分析深さはSMART Chartからご覧いただけます。
原理 / 特徴
二次電子像
SEMの基本原理は、真空中で試料に電子線を入射させ、その際に発生した二次電子を画像化しています。そのため、SEM像は白黒コントラストになり、コントラストは二次電子線の信号の強弱を示すことになります。二次電子とはその名の通り、入射電子(一次電子)により励起され発生した電子になります。試料に電子線が入射されると、次々と二次電子が発生します。しかしながらこの二次電子は、物質中をあまり長い距離は移動できません。そびため、試料表面近くで発生したものしか、試料から真空中・検出器まで進んでいけません。この二次電子の脱出深さは概ね数nmから十数nmです。


斜面の右側で発生した二次電子は、それほど長い距離を移動せずに外に脱出できます。そのため、傾きが大きいほど多くの2次電子が脱出できることになります。ただし、逆に斜面の左側では、脱出できる2次電子は水平な場合よりもさらに少なくなります(外に脱出するまでの実質的な距離が長くなるため)。
このように、二次電子は試料表面の形状により発生量が変わるため、結果的に試料表面の凹凸情報を反映した像を取得することができます。尚、二次電子は材料によっても発生効率は異なります。ただし、通常は試料形状の方がコントラストに大きく影響します。
反射電子像
試料に電子線を照射した際、色々な信号が発生します。SEMでは二次電子と反射電子を取得するのが一般的です。二次電子は上記の通り入射電子から励起された電子です。それに対し、照射した電子が試料表面で反射した電子(実際には後方散乱)が反射電子になります。反射電子は試料を構成する元素により発生量が異なり、原子番号が大きいほど発生量が多くなる性質を持っているため、試料中の組成分布を確認する手法として良く使われます。このコントラスト(原子番号が大きいほど信号量が大きい)は、TEMのHAADF像(Zコントラスト)にとても似ています。

SEM断面加工技術
| 加工手法 | 特徴・原理 | 得意なサンプル・用途 |
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CP加工 (イオンミリング) |
アルゴンイオンビームを照射して削る非接触加工。物理的な応力がほとんどかからない。 | ガラス基板、中空構造、 柔らかい金属(はんだ等)の積層構造。 |
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FIB加工 (集束イオンビーム) |
ガリウムイオンビームで局所的に削る。ナノメートル単位のピンポイント加工が可能。 | 特定の欠陥箇所、 TSV/TGV内部、微細な配線界面の局所解析。 |
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機械研磨 (クロスセクション) |
研磨紙やダイヤモンドペーストを用いた物理研磨。広範囲を平滑に仕上げることが可能。 | パッケージ全体の構造確認、 数ミリ〜センチ単位の広範囲な断面観察。 |
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劈開 (へきかい) |
結晶の格子面に沿って割る手法。前処理なしで最もクリーンな面が得られる。 | シリコンウェハ、 単結晶基板の積層膜(エピタキシャル層など)。 |
使い分け
- ガラス基板 × CP加工: ガラスは非常に脆く、機械研磨ではクラック(ひび)が入りやすいため、CP加工による低応力な仕上げが必須です。
- 中空構造 × 特殊包埋 + CP加工: 内部が空洞のサンプルは、そのまま削ると空洞が潰れたり、削りカスが入り込んだりします。特殊な低粘度樹脂で空隙を保護した後にCP加工を行うことで、中空形状を維持したまま観察が可能になります。
- 不良箇所特定 × FIB加工: 電気的特性検査で特定された「わずか数ミクロンの異常箇所」を狙い撃ちする場合、FIB加工が唯一の選択肢となります
分析事例
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Arイオンミリング処理をしたCu |
微粒子膜 |





