AFM/SPM|走査型プローブ顕微鏡分析

分析概略
AFM/SPM(原子間力顕微鏡)は、非常に鋭い針の先で物質の表面をなぞることで、目には見えないミクロからナノ領域を3D画像として描き出す技術です。原子ひとつひとつが見えるほどの高い精度で表面の形を捉えるだけでなく、磁石の性質(磁気)や滑りやすさ(摩擦)といった目に見えない物理的な性質も、立体画像として「見える化」することができます。
*各分析手法の分析深さはSMART Chartからご覧いただけます。
活用分野とメリット
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半導体・電子デバイス:
回路の微細化が限界に挑む半導体分野では、目視できないほどの小さな凹凸や、回路表面のわずかな粗さが製品の性能を左右します。AFMはこれらを立体的に捉え、製造プロセスの改善や不良解析に直結するデータを提供します。 -
新材料・高分子(ポリマー):
プラスチックやゴムなどの高分子材料において、硬さの分布や摩擦のムラを「見える化」します。これにより、滑りやすさや耐久性の向上といった、材料の機能アップを強力に後押しします。 -
磁気ストレージ・電池材料:
ハードディスクの磁気情報や、リチウムイオン電池の電極表面の状態など、目に見えない「性質の分布」も画像化できるため、次世代エネルギー開発の現場でも重宝されています
主要分析モード
| 分析モード | 特徴 |
|---|---|
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STM |
先鋭な探針の先端と試料表面間に流れるトンネル電流を計測することで、原子スケールオーダーで表面形状の3次元画像情報を得ることができる。トンネル効果を利用したものなので、絶縁性試料には適さない。Wや Pt-Irなどの金属性の探針が用いられる。 |
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AFM |
探針の先端と試料表面間に作用する原子間力を計測することで表面形状の3次元画像情報が得られる手法である。探針の先端が原子スケールレベルで先鋭ならば、STMと同様に原子スケールレベルの分解能を得ることも可能である。試料の導電性には関係なく、どんな試料表面でも調べることができる。 プローブは、弾性的な板バネの先端に先鋭な探針がついたものが用いられる(カンチレバーと呼ばれている)。原子間力をカンチレバーの変位に反映させて表面形状情報を得る仕組みである。測定モードを大別すると、探針を試料に接触させるコンタクトモード、カンチレバーの共振周波数付近で振動させて試料に周期的に接触させるタッピングモード、そして接触させないノンコンタクトモードの3種類に分けられる。これらは試料の性質によって使い分けられる。また、原子間力以外の信号を得る場合などに使い分けられる。AFMでは試料にダメージの少ないタッピングモードが標準的に使われている。 |
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MFM |
磁性膜をコートした探針を振動させながら試料表面を走査し、試料磁界との磁気的作用によるカンチレバーの振動や位相変化からにより磁気力を画像化する手法である。 |
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KFM |
導電性プローブを振動させながら試料と探針間に交流電圧を印加し静電引力によるカンチレバーの変位を調べて表面電位の変化を調べる手法である。ノンコンタクトモードが使用される。 |
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FFM |
カンチレバーで試料を走査した際に、試料と探針間に働く摩擦力によってカンチレバーにねじれが生じることを利用して、摩擦力を画像化する手法である。コンタクトモードが使用される。形状ではわからない硬さなどの材質の違いがわかる。 |
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SCM |
極薄酸化膜が形成されている半導体表面に導電性プローブを接触させ、交流電圧を印加して静電容量の変化を調べることでキャリア分布の二次元分布を得る手法である。 |
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SSRM |
半導体表面に導電性プローブを接触させ、バイアス電圧を印加することによって得られる電流を調べることで抵抗分布を得る手法である。抵抗値からキャリア分布の二次元分布が得られる。SCMより更に微小な領域の測定が可能で、直接電流を測定するのでキャリア濃度としての精度が高い。 |
原理/特徴
- 定量分析
- ~300mmウエハまで対応
- 原子スケールに近い高分解能
- 導電体・絶縁体に対応
分析事例
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サファイア基板の表面粗さ分析 |
HDD・プラッタのランディングゾーン(ヘッドが停止する箇所)の形状測定 |





