医薬品・医薬品原料及び添加剤中の亜硝酸塩分析の受託試験

製薬企業、医薬品原材料メーカー、医薬品添加剤メーカーで、次のようなことをお考えではないでしょうか。
- 医薬品、医薬品原材料、医薬品添加剤などに残留する亜硝酸塩が規定値以下であることを確認したい
- 製品の出荷試験として、亜硝酸塩分析を実施したい
ユーロフィン分析科学研究所では、GMP省令準拠で管理された分析機器を用いて、亜硝酸塩分析(亜硝酸イオン分析)の試験法開発、バリデーション、定量試験が可能です。
医薬品原材料や添加剤に微量ながらも残留する亜硝酸塩と、医薬品原薬や製剤等由来のアミン類が、製造工程内あるいは保管中の特定の環境下での反応によってニトロソアミン類が生成される可能性があります。(「医薬品におけるニトロソアミン類(NDMA・NDEA)の生成経路を解説」を参照)
そのため、昨今、亜硝酸塩の潜在的なリスク評価が求められつつあります。
亜硝酸塩(亜硝酸イオン)の規制について
現時点、各ガイドラインや規制当局からの通知において、具体的な亜硝酸塩濃度の規定はありません。
厚生労働省の通知「ニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検に基づく リスク管理措置に係る薬事手続について」では、「リスク管理措置(例えば、添加剤の亜硝酸含量の規格値設定、・・・」との言及に留まっています。
同じく、『「ニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検に基づくリスク管理措置に 係る薬事手続について」に関する質疑応答集(Q&A)について』でも、以下2つの質問に対する回答が記載されているのみで、具体的な数値については記載されていませんでした。
- 質問5:日局品の添加剤に亜硝酸含量の規格値を追加する場合、「成分及び分量又は本質」欄に記載する規格は「日局」ではなく、「別紙規格」となるか。
- 質問6:リスク管理措置として、原薬や添加剤等にニトロソアミン類やアミン類、亜硝酸等の含量の規格値を追加する(規格値に合わせて製造工程を変更する場合を含む)場合において、一部変更承認までの間、当該規格値又は、製剤にニトロソアミン類の規格値を社内規格として設定しても、承認書との相違とはしないという理解でよいか。
ICH-M7「潜在的発がんリスクを低減するための医薬品中DNA反応性(変異原性)不純物の評価及び管理」では、N-ニトロソ化合物の言及のみで、具体的な数値については記載されていませんでした。
FDA「Control of Nitrosamine Impurities in Human Drugs」では、添加剤中の亜硝酸塩がニトロソアミン類生成の主要な原因の一つであることを指摘しています。製薬企業に対し、使用する添加剤中の亜硝酸塩(及び硝酸塩)を評価することを含め、徹底的なリスク評価を実施することを求めています。リスク評価の結果、亜硝酸塩の含有量が低い添加剤を選定するなどのリスク低減策を講じるよう推奨しています。
ただし、他のガイドラインと同様に、具体的な数値については記載されていませんでした。
医薬品以外、例えば食品添加物としての亜硝酸塩(亜硝酸ナトリウム)は、「21 CFR 172.175 Sodium nitrite」において10 ppmを超えないことと規定されています。
EMA「ガイドラインEMA/409815/2020」でも同様に、亜硝酸塩や硝酸塩を含む原材料が、ニトロソアミン類生成のリスク評価において重要であるとして言及されています。
添加剤中の亜硝酸塩のレベルが非常に低くてもニトロソアミン類が一日許容摂取量を超えるレベルで生成する可能性があることを認識しておくべきとも記載されています。
ただし、他のガイドラインと同様に、具体的な数値については記載されていませんでした。
国際医薬品添加剤協会(International Pharmaceutical Excipients Council:IPEC)では、亜硝酸塩がニトロソアミン類生成の主要な前駆体であるという認識がなされています。添加剤中に含まれる亜硝酸塩は微量レベルであっても、条件次第で反応が進む可能性があると指摘しています。
現時点、他のガイドラインと同様に、具体的な数値については記載されていませんが、実測値の把握と報告を推奨しています。
また、添加剤製造業者が標準化された形式でデータ(亜硝酸塩の測定値など)を収集し、製薬企業のリスク評価を支援するための質問表「Questionnaire for Excipient Nitrosamines Risk Evaluation」(Version 2, Oct 2025)を提供しています。
この質問表の質問4のNoteにおいて、「亜硝酸塩は飲料水中の管理対象不純物であり、WHOのガイドラインでは上限が3 mg/L(3 ppm)、欧州では0.5 mg/L(0.5 ppm)とされている。」と記載されています。
各ガイドラインや規制当局からの通知を説明しましたが、亜硝酸塩濃度の規定はありません。各企業又は外部機関でリスク評価して、管理基準を決める必要があると考えられます。
当社での亜硝酸塩分析(亜硝酸イオン分析)のアプローチ
当社の亜硝酸塩分析の一般的なワークフローは次の通りです。

まず、お客様のご依頼の試料の特性に合わせ、液体クロマトグラフィーを用いて、設定された基準値をクリアできる試験法を開発します。
ICH-Q2ガイドラインに基づいて、分析法バリデーションを実施します。
バリデートされた分析法を用いて、定量試験を実施します。
当社に亜硝酸塩分析(亜硝酸イオン分析)を依頼するメリット
- 長年に渡る実績に基づいた、最適な試験法開発・バリデーション・試験実施が可能
- GMP省令準拠で管理された液体クロマトグラフィーを用いて、高感度で分析可能
- 当社海外ラボで、亜硝酸塩のリスク評価が可能
当社は、1996年設立以来、多くの医薬品開発を支援してきました。
これらの長年の経験と実績を活用し、お客様のご要望に沿った形で、最適な試験法を開発から試験実施まで可能です。
当社は、GMP省令に準拠した組織を構築しています。その運営下で、プロトコルの作成、試験、サンプルの保管、施設・機器・システムの管理を実施しています。
その管理下にある、液体クロマトグラフィーが利用可能です。
一般に、亜硝酸塩分析はイオンクロマトグラフィーが用いられることが多いです。
一方、当社では、試料が高濃度になっても頑健性を保てる試験方法を実現するために、液体クロマトグラフィーを用いています。
当社では、お客様の試料の特性に適用できるように、LOQ(定量限界) 0.5 ppmを満たす5種類の試験法を確立しています。さらに検討を重ねることで、LOQ 0.05 ppm程度まで感度を高められると考えています。
現時点、各規制当局のガイドライン等に亜硝酸塩濃度の規定はありません。そのため、各企業又は外部機関でリスク評価して、管理基準を決める必要があります。
外部機関の一つとして、当社海外ラボ(ミラノラボ)のコンサルティングサービスが利用可能です。
ミラノラボは、ニトロソアミン類を筆頭に多くのコンサルティング実績があり、亜硝酸塩のリスク評価を支援し、規制要件への適合を確保できます。
ユーロフィン分析科学研究所では、GMP省令準拠で管理された分析機器を用いて、亜硝酸塩分析(亜硝酸イオン分析)の試験法開発、バリデーション、定量試験が可能です。
亜硝酸塩分析をお考えであれば、ぜひ当社をご活用ください。ご質問やご相談は、お気軽にお問い合わせください。
関連サービス


