低分子医薬品及びバイオ医薬品を開発・製造する製薬企業や、受託製造企業(CDMO/CMO)で次のようなことをお考えではないでしょうか。
- 製造過程で異物が発生したので、異物を同定し、混入原因を特定したい
- 自社で異物分析を実施したが、異物の同定ができなかったので、より詳細な分析を依頼したい
- 他社で異物分析を実施したが、異物を同定できなかった、セカンドオピニオンとして再調査を依頼したい
ユーロフィン分析科学研究所では、異物分析に必要な豊富な分析装置を用いて、経験豊富なエキスパートによる迅速な異物分析が可能です。
ユーロフィン分析科学研究所に委託するメリット
- 異物分析に必要な分析装置を豊富に保有
- 異物分析の経験が豊富なエキスパートが最適な分析手法を提案
- スピード対応可能
当社では、異物分析に必要な分析装置を豊富に保有しています。
当社でよく使用する分析装置と特徴は以下の通りです。
分析装置
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分析装置の特徴
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デジタルマイクロスコープHRX-01/ハイロックス

© HIROX CO., LTD.
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観察、記録、深度合成(深度の異なる全面に焦点のあった画像の取得)、透過撮影が可能です。
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コンフォーカル顕微鏡OPTELICS H1200/レーザーテック

© Lasertec Corporation
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焦点面以外の光を除去することで、非常に鮮明で高解像度の画像を取得できます。
また、非破壊的観察のため、試料を傷つけることはありません。
さらに、Z軸方向にスキャンすることで、試料の三次元構造を詳細に観察でき、対象物表面の高低差、体積、粗さ(Ra、Rz、Rzjis)など3D 計測が可能です。
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三次元計測X線CT装置TDM1000H-Ⅱ+FOS/ヤマト科学

© Yamato Scientific co., ltd.
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非破壊的に試料の内部構造を詳細に観察できます。これにより、試料の品質や内部欠陥を確認することが可能です。
高解像度の断層画像を取得でき、微細な構造や欠陥を鮮明に観察できます。
試料の三次元構造を詳細に解析でき、立体的なイメージを作成することが可能です。
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微小部蛍光X線分析装置(XRF)Orbis PCシステム/アメテック

© AMETEK Inc.
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非破壊的に試料の内部の元素を分析できます。これにより、試料の品質や成分分布を確認することが可能です。
XRFは、大気圧での分析(含水物の分析)が可能で、後述するEDXに比べて大きな検体の分析が可能です。
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走査電子顕微鏡(SEM)SU3500/日立
(付属品:エネルギー分散型X線分析TEAM EDS/アメテック)[SEM-EDX]

© Hitachi High-Tech Corporation.
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SEMは電子線を利用して試料表面の拡大像を観察できます。
EDXは、電子線照射により発生する特性X線を検出し、エネルギーで分光することで、試料の元素分析や組成分析ができます。
非破壊的に試料の品質や成分分布を確認することが可能です。
また、微小部の元素を高精度かつ高感度で検出でき、微細な構造や成分の違いを鮮明に観察できます。
さらに、多くの元素を同時に分析でき、元素の分布を視覚的に評価することが可能です。
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顕微FT-IR LUMOS II/ブルカー

© Bruker
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赤外光を試料に照射し、干渉パターンをフーリエ変換することで分子構造に応じた吸収スペクトルを取得し、物質情報を得る手法です。
FT-IRイメージング測定は、分析検体に含まれる主要な成分を定性し、それぞれの分散の様子を視覚的に捉えることが可能です。
イメージング用マクロデバイスにより、ATRプリズムを一度密着するだけで広い領域のサンプル測定が可能なため、脆性及び粘着性の高いサンプルや、不規則な形状のサンプル(例えば、医薬品錠剤)及び多層ポリマーフィルムなどに使用されます。
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inViaTM Qontor共焦点ラマンマイクロスコープ/レニショー

© Renishaw plc.
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レーザー光を試料に照射し、その散乱光のスペクトルを分析することで、試料の化学的性質や分布を高い空間分解能で観察できる装置です。
試料にレーザー光を照射し、その返ってきた散乱光にフィルターをかけて焦点あったポイントのみのデータを得る仕組みをとっています。これにより、面内の空間分解能が向上し、同時に被写界深度を浅くすることができます。
また、試料の深さ方向に沿ってレーザー光の焦点を移動させることで、試料の内部構造や化学組成の変化を三次元的に測定することができます。
さらに詳しくは「共焦点ラマン顕微鏡を用いた医薬品開発の高速化と医薬品分析の高精度化」をご覧ください。
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当社には、30年以上異物分析に関わっている経験豊富なエキスパートがおり、お客様に最適な分析手法を提案します。
一般的な異物分析のフローは以下の通りです。

形態観察では、デジタルマイクロスコープ、コンフォーカル顕微鏡、CT-X線を用いて分析します。
想定される対象異物が無機物(鉱物、金属等)である場合、蛍光X線、SEM-EDXを用いて元素分析を実施します。
想定される対象異物が有機物(樹脂、繊維等)である場合は、顕微FT-IR、ラマン顕微鏡を用いて成分分析を実施します。
分析の一例は以下の通りです。
分析事例
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基本分析
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+α分析
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錠剤付着異物の同定
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外観、蛍光X線
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SEM-EDX
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錠剤付着微量物の同定
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外観、蛍光X線、SEM-EDX
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―
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錠剤内部混入異物の非破壊分析
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外観、蛍光X線
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CT-X線
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金属様異物の分析
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外観、蛍光X線
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コンフォーカル顕微鏡
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注射液に混入した異物の分析
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外観、FT-IR
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ラマン顕微鏡
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透明フィルム中の異物の分析
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外観
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ラマン顕微鏡、CT-X線
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毛髪様異物の分析
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外観、FT-IR
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ラマン顕微鏡、CT-X線、SEM、DNA、コンフォーカル顕微鏡
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錠剤付着異物の同定
試料
錠剤上に黒色の異物が観察されました。

<形態観察>マイクロスコープ
異物は黒色を示し、輪郭ははっきりしていませんでした。

分析プラン
蛍光X線による元素分析から異物同定を行うこととしました。
<元素分析>蛍光X線
Crを検出しましたが、製造工程上でCr片が混入したとは考えにくかったです。

<元素分析>(+α)SEM-EDX
黒色付着物中にCr微粒子を検出しました。

SEM-EDXは高倍率での元素分析が可能です。低真空モードの使用により蒸着なしで分析を行うことが可能です。
結果
異物は黒色付着物中にCr微粒子が分散していました。
錠剤付着微量物の同定
試料
黒色汚れがある錠剤が発見されました。

<形態観察>マイクロスコープ
異物はスジ状に付着していました。

分析プラン
蛍光X線およびSEM-EDXによる元素分析から異物同定を行うこととしました。
<元素分析>蛍光X線、SEM-EDX
両者ともに検出しませんでした。
結果
スジ状の汚れはステンレスとの接触により発生したと推察されました。
錠剤内部混入異物の非破壊分析
試料
金属検査により排除された錠剤です。

<形態観察>マイクロスコープ
錠剤上に異物は確認できませんでした。
分析プラン
以下2ステップで行うこととしました。
- CT-X線により異物形態、及び混入位置の確認
- 蛍光X線を用いた非破壊元素分析による異物同定
<内部観察>(+α)CT-X線
<元素分析>蛍光X線

CT-X線による異物混入部位の確認、測定深度の深い蛍光X線の選択により、内部に混入した異物の非破壊同定が可能です。
試料前処理が不要で、よりスピーディな分析が実現します。
結果
異物は、亜鉛を主成分とする金属片であることが考えられました。
金属様異物の分析
試料
金属様異物が発見されました。
<形態観察>マイクロスコープ
異物に金属様光沢を確認しました。

分析プラン
元素分析により異物同定を行うこととしました。
元素分析の結果、異物からステンレス成分が検出されました。
<外観観察>(+α)コンフォーカル顕微鏡
大きさは562×407μm、厚みは86.7μm、表面には凹凸があり、湾曲していることが確認できました。


コンフォーカル顕微鏡を使用することで異物の表面観察をすることが可能です。
また、大きさ、厚み、体積が求めることができ、重量(換算値)を求めることも可能です。
結果
コンフォーカル顕微鏡により、表面形状の観察、微小異物の計測ができました。
注射液に混入した異物の分析
試料
注射液中に不溶物が発見されました。

<形態観察>マイクロスコープ
異物を目視確認しつつ、液中より採取し、形態観察しました。

[大きさ:約 310×80 µm]
分析プラン
元素分析、又は成分分析により異物同定を行うこととしました。
<成分分析>FT-IRスペクトル
ポリアミドと類似したスペクトルを示しました。

<成分分析>(+α)ラマン顕微鏡
ラマン顕微鏡より合成ポリアミドもしくは天然ポリアミドのどちらかの判別が可能です。
ラマンスペクトルにより異物は、タンパク質と判明しました。

※タンパク質にのみ認められるフェニルアラニンのピークがチェックポイント
結果
液中の不溶物は有機シリコンが核となりタンパク質が凝集した物だと考えられました。
透明フィルム中の異物の分析
試料
透明フィルム中に異物が発見されました。

<形態観察>マイクロスコープ
フィルムの内部に異物が混入していることが分かりました。

分析プラン
以下2ステップで行うこととしました。
- CT-X線により異物形態および混入位置の確認
- 共焦点ラマン顕微鏡を用いた3Dイメージング分析
<内部観察>(+α)CT-X線
フィルムは二層構造になっていました。
異物は、2枚のフィルム間に存在していることが確認できました。

CT-X線分析により、異物の混入位置、大きさを非破壊で確認できます。
<3Dイメージング分析>(+α)共焦点ラマン
異物の部分のスペクトルを抽出し、フィルムのスペクトルと比較しました。成分Aと類似していました。

共焦点ラマンの深さ方向分析機能により埋没異物を前処理なしで測定することが可能です。これによりスピーディな分析が実現します。
また、3Dイメージ画像を得ることも可能です。
結果
フィルム内の異物はフィルム成分の変性物と考えられました。
毛髪様異物の分析
試料
異物に毛髪様異物(繊維状異物)が観察されました。
分析プラン
外観から毛根の有無を確認し、成分分析を行うこととしました。
(毛髪の場合、タンパク質のスペクトルが得られるため。)
<形態観察>マイクロスコープ
毛根を確認することができました。

<成分分析>FT-IRスペクトル
タンパク質と類似したスペクトルが得られました。

以上のことから、繊維状異物は生物由来と考えられました。
<表面観察>(+α)コンフォーカル顕微鏡
毛根を確認しました。異物表面にキューティクルを確認しました。

[左:毛根、中:毛の太さ、右:毛先]
<断面観察>(+α)SEM
髄質を観察・計測しました。
動物によって、髄質の太さが異なります。一般的には、ヒト毛は全体の1/3以下に対し、動物毛は全体の1/2以上となっています。

<内部観察>(+α)CT-X線
比較試料として、ヒトの髄質の状態観察・髄質の計測しました。

人獣判定の結果、動物のものと考えられました。
<DNA分析>異物由来動物の判定
DNAを抽出し、リアルタイムPCRより生物種の特定を行いました。調査対象生物種は、ヒト、ヒツジ、ヤギ、ネコ、ウシ、ブタ、イヌです。
イヌプライマーを使用した場合のみ増幅を認めたため、異物はイヌ由来の毛と考えられました。

結果
SEM及びCT観察によりキューティクル/髄質を確認し、動物毛であることが推察されました。
DNA分析によりイヌ由来の毛髪だと考えられました。
当社には、上記以外にも、様々な試料の異物分析の対応実績があります。
低分子医薬品関連
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バイオ医薬品関連
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その他
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- 原薬
- 原薬バッグ
- 中間製品
- 製剤
- プラセボ顆粒(バルク包装)
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- タンパク質製剤
- 注射液
- 希釈液
- 培地バッグ
- 輸液バッグ
- 凍結保存バッグ
- 細胞懸濁液
- 細胞溶液
- プレフィルドシリンジ製剤
- バイアル
- 空バイアル
- RBSシリンジ
- ゴム栓
- フィルター
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金属系異物、繊維系異物、液中微小異物から、ウイルスフリーのヒト細胞を用いた医薬品等、バイオセーフティレベル1(BSL-1)までの生物学的なサンプル中異物まで幅広く対応可能です。
昨今では、バイオ医薬品の研究・開発増加に伴い、注射剤、細胞バッグ、輸液バッグ、細胞懸濁液等のご依頼が増加しています。
異物混入あるいはその原因を推定し、再発防止をサポートします。
当社では、最短24時間以内のスピード対応が可能です。
異物分析は、製造現場等、いち早く異物分析が必要な場合があります。その後要望に対応できるように、当社では最短24時間以内の結果速報も実施しています。
お客様の声
お客様からいただいた声の一部をご紹介します。

ご依頼の流れ
1.質問票(ご相談フォーム)をお客様にご提出していただきます。
2.質問票に基づいて、当社がヒアリングを実施します。
3.ヒアリングに基づいて、当社が見積書を作成します。
4.お客様に見積書を確認していただき、問題なければ発注していただきます。
5.お客様に分析試料を送付していただきます。
6.当社が分析を実施します。
7.当社が結果を報告します。
8.当社が費用をご請求いたします。
ユーロフィン分析科学研究所では、異物分析に必要な豊富な分析装置を用いて、経験豊富なエキスパートによる迅速な異物分析が可能です。
異物分析をお考えであれば、ぜひ当社をご活用ください。ご質問やご相談は、お気軽にお問い合わせください。
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