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ユーロフィン分析科学研究所株式会社 >> 技術コラム >> Eurofins Biopharma Product Testingオランダが、AAVベースの遺伝子治療用アデノ随伴ウイルスカプシドの正確かつ迅速な定量に、マスフォトメトリー法を用いた画期的な手法を導入

Eurofins Biopharma Product Testingオランダが、AAVベースの遺伝子治療用アデノ随伴ウイルスカプシドの正確かつ迅速な定量に、マスフォトメトリー法を用いた画期的な手法を導入

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ユーロフィンバイオファーマサービスの「ニュースレター2025年4月号」が発行されました。

ユーロフィングループは、食品・製品・環境・アグロ・ジェノミクス・クリニカルダイアグノスティック・医薬品・材料等、幅広い分野に関わる分析及び検査サービスをグローバルに展開しています。

世界60カ国に950以上のグループラボがあり、200,000通りに及ぶ分析項目・手法を採用、年間4億5,000万件を超える試験を実施しています(2025年1月現在)。

 

医薬品分析は、ユーロフィンバイオファーマサービスが担当しています。日本国内においては、当社「ユーロフィン分析科学研究所(E-ASL)」が受託を行っています。一部のサービスは、当社ラボが海外ラボとの仲介となり受託しています。

 

バイオファーマサービスでは、お客様に最新情報をお届けするため、定期的にニュースレターを発行しています。

2025年4月号のうち、以下5つの技術情報を紹介します。

  • Eurofins Biopharma Product Testingオランダが、AAVベースの遺伝子治療用アデノ随伴ウイルスカプシドの正確かつ迅速な定量に、マスフォトメトリー法を用いた画期的な手法を導入
  • Eurofins CDMO Alphora(カナダ オンタリオ州ミシサガ)はグリーンテクノロジーとカーボンフットプリント削減のための新たな取り組みを開始
  • 次世代MATと従来のパイロジェンテストの比較:より迅速で、倫理的で、信頼性が高い
  • 新コンサルティングサービスは、試験能力を補完し、お客様にあらゆる規制遵守ソリューションを提供
  • 欧州初の保管・安定性ハブ:EurofinsBiopharma Product Testing フランスの新施設が完成、5300m3のGMP保管庫を完備

 

本技術コラムでは、「Eurofins Biopharma Product Testingオランダが、AAVベースの遺伝子治療用アデノ随伴ウイルスカプシドの正確かつ迅速な定量に、マスフォトメトリー法を用いた画期的な手法を導入」を紹介します。

 

マスフォトメトリー法

著者:Kassiani Kytidou, Senior R&D Scientist; Sabine van der Sanden, Head of Department, Viral Safety & Cell Banking, Eurofins BioPharma Product Testing Netherlands

 

アデノ随伴ウイルス(AAV)は、一本鎖DNAゲノムを持つ小型の非エンベロープ型ウイルスです。AAVは、遺伝子治療における遺伝子導入の媒体として、ますます利用されるようになってきています。AAVを用いた遺伝子治療は、過去数十年の間に新しい治療法として台頭し、200以上の臨床試験と6つのEMA/FDAに承認された治療があります。AAVベースの臨床試験は、血液疾患、眼疾患、中枢神経系疾患、神経筋疾患の5つの主な治療領域を対象としており、さらに現在も臨床試験中の疾患領域もあり、有望な結果と患者コミュニティーへの大きな影響を示しています。

AAVは最も有望な遺伝子導入ウイルスベクターであり、様々な組織において長期間の遺伝子発現が確立されています。組換えAAVカセットとカプシドの絶え間ない改良は、最適な遺伝子導入と治療の成功に貢献しています。しかしながら、製造過程におけるAAV製剤のばらつきは、製品の不均一性につながり、遺伝子導入に悪影響を及ぼします。さらに、不純物は粒子のバイオアベイラビリティや生体内分布に影響を与え、望ましくない免疫原性反応を引き起こす可能性があります。

AAV製剤の品質と規制遵守を保証するためには、迅速で、頑健で、信頼性が高く、GMPに準拠した分析法が必要です。マスフォトメトリー(MP)を使用した画期的なメソッドは、FDA/EMAガイドラインの指示に従い、治療結果に影響を与える可能性のある空又は部分的に充填された粒子の量について、製品が承認された規格に収まっていることを確認するために、GMP準拠で空、完全、及び部分的に充填されたAAVウイルス粒子の測定に現在導入されています。MPは、希釈溶液中の標識されていない個々の分子を検出する光散乱ベースの技術です。ガラス製カバースリップに接触した1個のAAV粒子が光ビームに曝され、小さいながらも測定可能な光散乱シグナルを生成します。このシグナルは粒子の質量に正比例します。Refeyn Ltd.のSamuxMP®は、FDA 21 CFR 11(米国)及びEU GMP Annex 11に準拠した試験法/ソフトウェアを使用し、AAV粒子の特性評価に特化したマスフォトメトリーです。

AAVの特性評価(空/完全/部分充填)にMPを使用することは、超遠心分析、透過型電子顕微鏡法、多角度光散乱法と組み合わせたサイズ排除クロマトグラフィーなどの直交技術よりも多くの利点があります。

 

主な利点:

  • AAVパッケージング(すべての部分集団の測定)を3段階で追跡
    • ベクター開発段階(パッケージング効率、製造可能性)
    • 製造工程:精製工程の最適化
    • 最終品質試験
  • 迅速な分析、必要なサンプル量(10~20μL、1×1011 particles/mL)及びサンプル調製は最小限
  • 非常に短いTAT: ターンアラウンドタイム(2分)で簡単な測定
  • メソッドの適用なしにすべてのAAV血清型に適用可能

 

Eurofins BioPharma Product Testingオランダは、現在、ICHガイドラインに従い、GMP条件下でこの画期的な試験法の実施と開発を主導し、お客様に新たなサービスとして提供しています。

 

さらに詳しい情報は、こちらをご覧ください。

 

原文は、EBPT Netherlands implements revolutionary method using mass photometry for accurate and fast quantification of empty, partially filled, and full adeno-associated virus capsids for AAV-based gene therapiesをご覧ください。

 

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