JavaScript is disabled. Please enable to continue!
Mobile search icon
ユーロフィン分析科学研究所株式会社 >> サービス >> 試験法開発・バリデーション

バイオ医薬品/低分子医薬品の試験法開発・バリデーションの受託試験

Sidebar Image

ユーロフィン分析科学研究所では、GMP省令準拠で管理された分析機器を使って、バイオ医薬品や低分子医薬品の試験法開発・バリデーションが実施可能です。

 

バイオ医薬品/低分子医薬品の試験法開発・バリデーション関連のガイドライン

試験法開発のガイドラインとして、医薬品規制調和国際会議のICH-Q14分析法の開発 ガイドライン(案)」、バリデーションのガイドラインとして、ICH-Q2R2)「分析法バリデーション ガイドライン(案)」(改正)があります。

2022526日時点、両者とも、ステップ3「各極におけるガイドライン案に対する意見聴取、寄せられた意見に基づくガイドライン案の修正」の段階となっています。 

 

ICH-Q14ガイドラインは、原薬及び製剤の品質評価に適した分析法を開発及び維持するための科学及びリスクに基づく手法について記載されています。 

本ガイドラインは、以下13章で構成されています。

  1. はじめに
  2. 適用範囲
  3. 目標分析プロファイル(ATP
  4. 分析法の開発及び継続的な改善における知識管理及びリスクマネジメント
  5. 頑健性の評価及び分析法操作パラメータの範囲
  6. 分析法管理戦略
  7. 分析法のライフサイクルマネジメント及び承認後の変更
  8. 多変量分析法の開発
  9. リアルタイムリリース試験の分析法において特に考慮すべき事項
  10. 分析法に係る情報の提出
  11. 用語集
  12. 参照文献
  13. 付属書

1章では、本ガイドラインの目的が記載されています。

2章では、本ガイドラインの適用範囲、分析法の開発及びライフサイクルマネジメントに係る一般的な考慮事項、最小限の手法及びより進んだ手法による分析法開発の比較、分析法のライフサイクルがまとめられています。

適用範囲は、以下のように記載されています。

  • 市販用の原薬及び製剤(化学薬品及びバイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品)の出荷試験又は安定性試験に用いる新規又は変更された分析法
  • リスクに基づく手法に従った管理戦略(ICH-Q10、医薬品品質システム)の一部として用いられるその他の分析法
  • 必要に応じて適切に規制当局へ相談した他のタイプの医薬品の分析法 

 

3章では、目標分析プロファイル(ATP)が記載されています。

ATPは、使用目的、測定される製品特性の適切な詳細、関連する分析能パラメータ及びその性能基準から構成され、分析法の開発の基礎を形成するものです。

ATP の正式な文書化及び提出は任意ですが、これにより、規制当局とのコミュニケーションが容易になる、分析技術の選択、分析法のデザイン、開発、性能のモニタリング及び継続的な改善が容易になる等のメリットがあります。

 

4章では、知識管理とリスクマネジメントが記載されています。

知識管理は、分析法の開発及びその後の分析法のライフサイクルにおいて重要な役割を果たすとされています。

リスクマネジメントは、性能の低下及び誤った結果の報告によるリスクが低減された頑健な分析法を開発するために用いることが推奨されています。

 

5章では、分析法の信頼性の指標である頑健性の評価と、分析法操作パラメータの範囲についてまとめられています。

多くの分析法において、頑健性は開発の段階で評価されます。頑健性評価の結果は分析法管理戦略(第6章参照)に反映しなければならないとされています。

 

6章では、分析法管理戦略と分析法のエスタブリッシュトコンディション(EC)が記載されています。

分析法管理戦略は、開発時のデータ、リスクアセスメント及び頑健性を含む分析法に関する最新の理解に基づき設定された一連の管理からなります。

分析法管理戦略は、バリデーション(ICH-Q2)の実施前に設定され、バリデーションの完了後に確認されなければならないとされています。

エスタブリッシュトコンディション(EC)とは、製品品質を保証するために必要と考えられる法的拘束力のある情報で、ECのいかなる変更も薬事手続きを必要とされるものです。

 

7章では、分析法のライフサイクルマネジメント及び承認後の変更が記載されています。

8章では、多変量分析法の開発について、直接測定される変数と数学的に関連する変換変数を使用するモデルにおいて考慮すべき事項が記載されています。

9章では、リアルタイムリリース試験(RTRT)の分析法において特に考慮すべき事項が記載されています。

RTRTとは、工程内データに基づいて工程内製品や最終製品の品質を評価し、その品質が許容されることを保証できることを意味します。

 

10章では、分析法に係る情報の提出として、一般的な規制上の考え方及び文書化、より進んだ手法を用いる場合の文書化、多変量分析法及び RTRT の分析法の文書化が記載されています。 

11章では、本ガイドラインで用いられる用語集が記載されています。

12章では、本ガイドラインに関する参照文献が記載されています。

13章では、付属書として、以下4事例が記載されています。

  • 分析法のライフサイクル
    • 低分子化合物の原薬(DS)において特定の製造工程に関連する不純物として 認められた立体異性体の測定
    • TNF-alpha モノクローナル抗体の力価の測定
  • MODRのバリデーション戦略
  • 多変量解析モデルのライフサイクルの構成要素の例

以上がICH-Q14ガイドラインの概要です。

 

ICH-Q2R2)ガイドラインは、ICH 加盟地域の規制当局に提出される製造販売承認申請資料の一部として含まれる分析法のバリデーションにおいて考慮すべき要素に関して記載されています。

また、各分析法について種々のバリデーション実験をどのように導き、評価するかに関する指針及び推奨事項が記載されています。

本ガイドラインは、以下8章で構成されています。

  1. はじめに
  2. 適用範囲
  3. 分析法バリデーション評価
  4. バリデーション実験、実施方法及び評価
  5. 用語集
  6. 参考文献
  7. 付属書 1 バリデーション実験の選択
  8. 付属書 2 分析技術の事例

1章では、本ガイドラインの趣旨が記載されています。

本ガイドラインには、承認申請添付資料に記載すべきデータが示されています。

分析法バリデーション中に収集した全ての関連データを提出し、使用目的に対する分析法の適切性を確立することが求められています。

バリデーションデータの代わりに、分析法開発時に得られた適切なデータ(ICH-Q14参照)を用いてもよいとされています。

また、確立されたプラットフォーム分析法を新たな目的に用いる場合、科学的な妥当性があれば、バリデーション実験の実施を省略してもよいとされています。

 

2章では、本ガイドラインの適用範囲が記載されています。

市販用の原薬及び製剤(化学薬品及びバイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品)の出荷試験及び安定性試験に用いられる新規の又は変更された分析法に適用されます。

例えば、確認試験、不純物(純度試験)(定量的又は限度試験)、定量法/力価試験、その他の定量的又は定性的な測定などの分析法の最も一般的な目的を主な対象とされています。

 

3章では、分析法バリデーション評価について記載されています。

「表1:代表的な分析能パラメータ及び関連する製品品質特性のバリデーション実験」に、以下のように、バリデーションすべき実験が記載されています。

分解能パラメータ\製品品質特性

確認試験

不純物(純度試験)
その他の定量的測定

定量法
含量/力価
その他の定量的測定

定量的

限度

特異性
 特異性試験


+


+


+


+

稼働範囲
 検量モデルの適格性
 下限値の検証


-
-


+
QL
DL


-
DL


+
-

真度
 真度試験


-


+


-


+

精度
 併行精度試験
 室内再現性精度試験


-
-


+
+


-
-


+
+

QL:定量限界、DL:検出限界

 

その他、分析法のライフサイクルにおけるバリデーション、報告値範囲、安定性の指標となる特性の実証、多変量分析法についての留意点が記載されています。

報告値範囲は、通常、医薬品の規格及び試験方法から導かれ、分析法の使用目的によって異なります。

「表2:分析法の一般的な使用目的における報告値範囲」に、以下のように、推奨される報告値範囲が例示されています。

分析法の使用目的

報告値範囲の下限

報告値範囲の上限

原薬又は製剤の定量法

表示量の80%又は規格下限値の80%

表示量の120%又は規格値上限の120%

力価試験

規格下限値-20%

規格上限値+20%

含量均一性試験

表示量の70%

表示量の130%

溶出試験

製剤含量の初回測定時点のQ-45%(即放性製剤)又はQL(徐放性製剤)

表示量の130%

不純物試験

報告の閾値

規格限度値の120%

純度試験(面積%

規格限度値の80%

規格限度値の100%

 

4章では、分析法の性能を評価する実験の実施方法について記載されています。

特異性/選択性では、妨害がないこと、直交する分析法との比較、分析技術固有の妥当性評価、推奨されるデータについて記載されています。

推奨されるデータには、表1に記載の製品品質特性で実験が必要とされるものについて、詳しく記載されています。

稼働範囲では、レスポンス(線形レスポンス、非線形レスポンス、多変量検量)と下限値のバリデーション(シグナル対ノイズ比に基づく手法、線形レスポンスの標準偏差と検量線の傾きに基づく手法、下限値における真度及び精度に基づく手法、推奨されるデータ)について記載されています。

真度及び精度では、真度については標準物質との比較、添加試験、直交する分析法との比較、推奨されるデータについて記載されています。

精度については、併行精度、室内再現精度、室間再現精度、推奨されるデータについて記載されています。

また、真度と精度を組み合わせて評価する手法についても記載されています。

 

5章では、本ガイドラインで用いられる用語集が記載されています。

6章では、本ガイドラインの参照文献が記載されています。 

7章、8章では、付属書として、バリデーション実験の選択と、分析技術の事例が記載されています。

以上がICH-Q2ガイドラインの概要です。

 

 

当社の試験法開発・バリデーションの対象試験

ICH-Q14及びICH-Q2に準拠し、主に以下の試験が実施可能です。

分析事例は、下記をご覧ください。

その他、バイオ医薬品の特性解析については、バイオ医薬品特性解析をご覧ください。

 

 

当社の試験法開発・バリデーションのワークフロー

 

試験受託後、試験計画書を作成する必要がある場合は、当社の品質管理責任者及び品質保証責任者が、発注書や依頼内容等を基に試験計画書を作成し、照査・承認します。

お客様より提供された試験仕様書を試験計画書とする場合は、当社の品質管理責任者及び品質保証責任者が、試験仕様書を照査・承認します。

試験法開発(検討)では、試験受託時に入手した情報を基に、試料溶液の調製法や試験条件等につき、探索的に条件を検討します。

その結果を基に、試験法の設定及び確認を実施します。

試験計画書、試験仕様書又は依頼内容に従って、試験法の検証方法(バリデーションを含む)を設定します。

試験法の検証では、試験法及び検証方法に従って測定を実施します。

実測をご希望される場合は、試験法の検証結果に問題がないことを確認した後に実施します。

これらの結果をまとめ、報告します。

バイオ医薬品や低分子医薬品の試験法開発・バリデーションをお考えであれば、ぜひ当社をご活用ください。ご質問やご相談は、お気軽にお問い合わせください。

 

関連サービス

 

お問い合わせはこちら >