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業界動向:盟主・武田薬品につきまとう新成長戦略への不安

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国際医薬品情報(2015.1.12号)掲載

 盟主・武田薬品につきまとう新成長戦略への不安

 

消化不良を露呈した12年度決算の下方修正

日本の製薬企業の盟主として、国内外で長年にわたって圧倒的な存在感を放ち先頭を走り続けてきた武田薬品であるが、この数年、そのエンジンに異変が生じ始めている。外国人社長の招聰や工グゼクティブチームの多国籍化といったことが問題なのではない。もっと本質的な製品力の陰りである。相次ぐ大型候補品の開発中止のダメージを引きづっているかのようだ。

 

その兆しがみえたのが、2012年度決算であった。期中に腎性貧血治療薬のオモンティスにアナフィラキシーショックの副作用が発生。12年4月に米国で販売を開始したオモンティスは、発売1年間を待たずに13年2月に自主回収という事態に陥った。世界に巡らせた販売網にのせることで大型製品化が期待されていただけに、収益面に影響を与えることになった。

 

もともと、12年度は売上げの底からの復活に位置付けられていただけに、回収費用500億円に上ったオモンティスの自主回収の影響は重くのしかかったが、それよりも衝撃的だったのが、決算発表の当日に営業利益の未達を公表したことである。期初予想の売上高1兆5500億円、営業利益1600億円、当期純利益1550億円が、実績は売上高1兆5572億円(前年同期比3.2%増)、営業利益1225億円(同53.8%減)、経常利益1131億円(同58.1%減)、当期純利益1311億円(同5.7%増)と営業利益で2ケタ減の375億円の未達となった。

 

当時の長谷川閑史社長は決算説明会において「(未達について)研究開発費の見込みが違った。過去のトレンドで処理してしまった。また、従来の日本、欧州での医療費の抑制施策の影響の読みも甘かった。このようなことは 2度とないようにする」と反省の弁を述べている。しかし、わずか2力月前の3月6日に開催したメディア懇談会でのあいさつで、長谷川社長は「13年3月期の決算について何とかなる(達成する)のではないかと、希望的観測を持っている」との見通しを示していた。ギリギリまで経営トップに実態が伝わっていなかったことが窺える。

 

2011年9月にスイスの未公開企業のナイコメッド社を1兆円超で買収、同年11月にはエリザベス女王からナイトの称号を授与された山田忠孝氏という世界的な業界の大物をチーフ メディカル&サイエンティフィック オフィサーとして招聰した。これに伴い、急速に組織は拡大し、研究開発の運用も一気にグローバル化した。管理部門がコントロールできなかった結果であったことは想像に難くない。武田薬品らしからぬ失態を演じた。

 

長谷川社長が12年度の決算説明会で語った「前期が業績の底との見方は変わらないものの、谷底の深さは1年前に予想した時よりも深く、回復のスピードも予想より緩やかなものになる」という言葉が、同社の危機感を物語っていた。

 

 

成長基調に回帰も、内憂外患で課題山積

谷底をさらに深くしてしまった要因、そして営業利益の大幅未達の背景には、買収企業を十分に消化することができなかったことがある。一方で、同社は13年度を新たな改革元年に位置付け、「ビジョン2020」を市場に発信するとともに、中期経営計画も変更した。 3力年の口ーリング形式で13年度計画として12年5月に売上高 1兆6300億円、営業利益2250億円、当期純利益1500億円を掲げていたが、これを13年5月に売上高 1兆5900億円、営業利益1400億円、当期純利益950億円に下方修正した。さらに口ーリング形式までも変更して、13年度を起点とする成長率の開示に変更してしまうのである。この中期成長戦略では5年後の17年度までの年平均成長率1ケタ台半ばの成長、営業利益は年平均成長率20%以上、17年度のコア・アーニングスの売上高比率を25%に置いた。加えて、収益の成長を推進するための効率化戦略であるプロジェクト・サミットを開始することを市場に発信した。

 

さらに13年10月に開催した13年度の第2四半期決算説明会においては、プロジェクト・サミットの名の下、グローバル従業員数の1ケタ前半の削減を見込むことを盛り込んだ。同期の連結人員は前年度末から1026名増加して3万1507万名と発表されている。5%の人員削減となれぱ230億円以上の人件費が浮く計算となる。

 

それから1年半が経過したが、果たして、トンネルの向こうの明かりは大きくなってきたのだろうか。

 

2013年度決算では売上収益1兆6916億円(前年同期比8.6%増)、営業利益1392億円(同114%増)、親会社所有者帰属当期利益1066億円(同28.2%減)と13年7月31日に発表した修正値の売上収益1兆6800円、営業利益1400億円の目標をほぽ達成した。プロジェクト・サミットの進捗も順調であり、初年度である13年度の成果は340億円の削減、その費用は170億円だった。当然ながら、組織再構築は、早けれぱ早いほど成果を生み出すわけであるから、目論見通りといったところであろう。

 

次いで14年10月に開催された14年度の第2四半期の決算説明会は、売上収益は8450億円、営業利益900億円、親会社所有者帰属当期利益は500億円の期初予想のところ、売上収益8513億円、営業利益1166億円、親会社所有者帰属当期利益614億円となった。数字的には順調に成長基調に回帰しているといえるだろう。

 

一方、戦略面では、14年6月に新社長に就任したクリストフ・ウェバー氏は6疾患領域あった研究開発組織を再編。免疫疾患は中枢神経系疾患に、呼吸器疾患は代謝性・循環器系疾患に統合し、それら2疾患領域を削って、中枢神経系疾患、代謝性・循環器系疾患、消化器系疾患、オンコロジーの4疾患領域とする他、販売組織は、日本(医療用医薬品)、新興国、米国、欧州・カナダ、日本(一般用医薬品)の5つの地域ビジネスユニットに再定義。さらに、オンコロジーとワクチンについて別途、グローバルビジネスユニツトを設ける。タケダイズムを基盤として、ベストインクラスのグローバル製薬企業を目指すというものだった。社長就任後初めて出席した第2四半期決算説明会でウェバー社長は「消化器やオンコロジー、中枢神経系疾患には強力な開発品目があり、代謝性・循環器系疾患には比較的早期だが成長ドライバーとして期待できる品目がある。また、オンコロジーは新たなビジネスの広がりが期待できる他、ワクチンは長期的に大きな成長ドライバーになるだろう」と疾患領域などを再編した理由を説明した。

 

 

消化器領域を柱に強調するも違和感否めず

ただ、「強力な開発品目」の 1つとして、消化器領域を挙げたことに違和感を覚える。グローバルで展開できる製品を持たない中枢神経領域も同様である。ウェバー社長は「消化器領域については強いポートフォリオとパイプラインを持っている。競争はそれほどではない」として残存者利益を強調した。確かに、武田薬品の13年度の消化器領域の売上げは2980億円であり、がん領域の2940億円を上回っている。しかし、製品を見ると、パントプラゾール、ランソプラゾール(タケプロン)、デクスランソプラゾール(デクスラント)と 3剤のPPIを自社保有するも、それは決して効率的な布陣とはいえないのも事実だ。現状、PPI以外で利益を稼いでいたのは導入品の便秘症治療薬のルビプロストン(アミティーザ)だけという製品ポートフォリオに、炎症性腸疾患治療薬のべドリズマブ(エンティビオ)が新たに加わっただけである。エンティビオは14年6月に米国で発売され4力月間で63億円を売り上げた。医療現場の反応が当初の予想を超えたことで、俄かに消化器領域を前面に打ち出す戦略をとったのではと邪推してしまう。エンティビオの効能・効果は潰傷性大腸炎とクローン病。TNF阻害剤不応例はもとより、未投与例にも使用できると守備範囲が広いことが特長だ。米国での実勢価格は 1回投与量である300mg入りアンプルは5000ドルとみられる。予想以上の初動売上げを記録した背景には、TNF阻害剤不応の潜在患者の多さにあったのだろう。

 

ただ、既存薬の代表のインフリキシマブの実勢価は1000ドルとみられ、エンティビオの価格戦略は、バイオファーストラインよりもTNF阻害剤不応例を標的にしたといえよう。満たされていない医療二ーズに対する高付加価値を打ち出した高薬価戦略となっている。ただ、今後、地域に適した販売戦略を取っていくことになるだろう。米国では二次治療を中心に、償還価格のある日欧その他の国では一次治療まで広げる戦略を取るのではないだろうか。

 

エンティビオについては、ウェバー社長は「(ベドリズマブは)グローバルで年問売上高20億ドルになる可能性がある」と発言をしている(今期のエンティビオの通期売上げ見通しは開示していない)。現状の実勢価から単純計算すると、 400万人いるといわれる対象患者のうち5万人への処方で達成される数字ではある。

 

一方、消化器領域が一気に同社の看板領域に担がれたが、心配の種もある。期待のかかるべドリズマブはα4β7インテグリンに対する抗体で白血球と血管内皮細胞との接着を阻害して白血球の遊走を阻害する新しい薬剤。添付文書に黒枠警告は無いなどその有用性は高く評価できる。しかし、免疫抑制を低下させる薬剤では、しばしば、重篤な進行性多巣性白質脳症(PML)の発症が確認されている。べドリズマブでは今のところ報告はないが、投与症例が増えればPMLが出る可能性を否定できない。もしも、ベドリズマブのPMLの発症が確認されれば、売上げ計画や販売経費に影響を及ぼすことは避けられない。あと1年、いや半年でも投与の経過を観察してからアドバルーンを上げても良かったのではないだろうか。

 

 

改革の試金石となるタケキャブの国内販売

武田薬品の消化器領域の最近の話題としては、12月に国内で承認されたフマル酸ボノプラザン(タケキャブ、TAK-438)がある。ボノプラザンは胃壁細胞における酸分泌の最終段階に位置するH+、K+-ATPase (プロトンポンプ)に対してカリウムイオンと競合的に阻害することによって酸分泌を抑制する新しい作用機序を有する薬剤。PPIと比較して効果発現が早いことが最大の特長だ。しかし、欧米の先進国では治療満足度が高い疾患だけに、受け入れられるかに疑問を持つ。例えば、すでに潰傷や逆流性食道炎治療に対し完成度の高いPPIが安価な後発品に置き換わっている米国でボノプラザンがフォーミュラリーに採用されるのか。実際に、武田薬品はボノプラザンの海外展開はせずに日本での開発を先行した。14年度の第2四半期決算説明会では初めてボノプラザンの海外開発が明示されたが、どちらかといえぱ先進国よりも受け入れられやすいアジアを含む新興国での開発が優先されるのではないだろうか。パントプラゾールの継承品の位置付けに落ち着くのではないかとみられる。今のところ開発地域などの詳細な開示はされておらず、今後に注目したい。

 

一方で、国内ではボノプラザンは重要な戦略的製品に位置付けられる。同領域では第一三共とAZ社が販売するエソメプラゾール(ネキシウム)が11年の発売から4年目で670億円にまで売上げを急速に伸ばし、国内トップのランソプラゾール(タケプロン)を超える勢いである(図)。ランソプラゾールにはすでに後発品が発売されていることから、武田薬品はボノプラザンでトップの座を奪回する考えであるのは明白。これは日本市場においては売上げトップを死守するという武田薬品の方針にっながるものである。武田薬品はボノプラザンの販売において大塚製薬と組んだ。背景には、専門MR制へのシフトがある。4月からはすべての製品を担当するジェネラルMR体制から、「循環器・糖尿病・代謝性疾患」「消化器・中枢・泌尿器・骨・免疫疾患」「オンコロジー」の3つの疾患領域それぞれの製品を担当するMR体制に再編するため、以前に比べ消化器領域におけるシェア・オプ・ボイス(SOV)力に欠けることから、これを補う必要があった。

 

<図 売上推移比較>

売上推移比較_写真

(↑ 図をクリックすると別ウィンドウでPDFが開きます)

 

提携判断は正しいのだろうが、不安はある。武田薬品の国内MRの質は評価されているが、今までは、他社品を販売することはあっても、自社製品を他社と共同プロモーションする経験がないからだ。自社の消化器領域のMRに大塚製薬のMRを加え効率良く拡販できなければ垂直的な立ち上げは期待できない。「売ってやる」から「売ってください」のスタンスで、同社の営業関連部署がどのように共同プロモーシヨンをコントロールしていくかという面でも興味深いところである。すなわち、これまで武田薬品が良くも悪くもセールスドリブンの営業風士であったが、これからはマーケティングドリブンにならなければいけない。AZ社と第一三共のネキシウムの成功をみても、マーケティングがセールスを、そしてコ・プロ相手をコントロールできるかが鍵を握る。武田薬品は「ものすごいプロモーションをかけて(TAK) 438で大逆襲をする」(同社営業担当幹部)覚悟である。ボノプラザンの行方は、国内営業組織改革、ひいては同社の収益構造改革の成否の試金石とみなしてもいいだろう。

 

ウェバー社長が表明した「GI(消化器系疾患)のりーダーとして評価される」ためには、4000億~5000億円の売上げは欲しいところ。ベドリズマブが皮下注射剤を含めて1500億円、ボノプラザンが国内で1000億円、海外で750億円の合計1750億円。日本、中国を除く地域の権利を手に入れたルビプロストンが500億円の条件を達成することであろう。さらなるパイプラインも必要だ。消化器領域でそもそもアンメットニーズが残されている疾患は、過敏性腸症候群や機能性ディスペプシア、感染症に対する止瀉薬などと限定的である。希少疾患に絞るという選択肢もあるが、残された市場は小さい。

 

 

ワクチン事業を立ち上げた山田忠孝氏は退任へ

2014年12月にはチーフ メディカル&サイエンティフィック オフィサーを務めた山田忠孝氏の15年6月の退任が報じられた。理由は明らかにされていないため、年齢によるものか、グローバルな公衆衛生への貢献のためなのか、それとも研究開発部門への管理に対する不満からなのか知る由もない。長期間を要する医薬品開発のトップとして3年間という在任期間は短すぎ、その功績を評価することは困難だ。だが、武田薬品の研究開発を推進したこと、国内に限定されていたワクチン事業をグローバルに対応できるまでの組織にしたことは高く評価できる。同社はグローバルでのワクチン事業の強化のために、ワクチンビジネス部を12年1月1日に設立。12年2月にはワクチン事業の説明会を開催してグローバルリーダーを目指すと宣言した。山田氏は説明会の冒頭で「ワクチン事業は武田薬品にとってチャリティーではなく重要なビジネスである」と述べている。山田氏とともにビル&メリンダゲイツ財団に所属し、グローバル・ヘルス・プログラムのワクチン・デリバリー ディレクターを務めたラジーヴ・ヴェンカヤ氏がグローバル ワクチン ビジネス ユニット プレジデントに就いている。ヴェンカヤ氏は新技術による有用性のあるワクチンの開発、他社との共同開発、導入によって世界トップクラスのワクチン企業に成長させるとした。この間、4価デング熱ワクチンのTAK-003、ノロウイルスによる急性胃腸炎の予防ワクチンをパイプラインに揃えた。山田氏の世界的な人脈、ワクチンビジネスにおける経験が大きく寄与してきただけに、今後のワクチン事業の拡大にとって、山田氏の退任は少なからず不安要素になるだろう。

 

 

グローバル企業らしからぬりストラの迷走?

プロジェクト・サミットの初年度の成果は340億円の削減と順調であった。しかし、開示資料にもあるように比較的取り組みやすい課題によるもので、今後、難易度の高い課題に取り組まなければならなくなる。1つは適正人員だ。プロジェクト・サミットにおいて削減されたコストの額は目標を上回る実績を残したため目立ってはいないが、14年度第2四半期の連結人員は3万1815名で13年度末よりも590名増加している。人員に関する質問についてロジェCFOは決算会見で「プロジェクト・サミットは大きく人員削減をするものではなく、無駄をなくし効率を追求するものだ」と明確な回答を避けた。ただし、13年度の第2四半期決算に、プロジェクト・サミットの名の下、グローバル従業員数の1ケタ前半の削減を見込むことを盛り込んでいる。計画変更を明言しておらず、削減目標は17年度までであるから、今後予定通り実施される可能性がある中、明確な回答を避けてしまえば、組織運用はいまだ消化不良の状態で、抵抗に遭って人員削減が計画通りに進んでいないのではと穿った見方を呼び込んでしまう。グローバルメガファーマを例にとるまでもなく、M&Aなどに伴うりストラは”一刀両断”が基本である。なぜなら、長引けば長引くほど、ポリティクスが入ってしまうからだ。また明瞭さを欠き、1つでも例外を認めれば、改革への不信感が不満へと繋がりかねない。

 

 

中期成長戦略には自社品の確保が不可欠な状況

いずれにしても、プロジェクト・サミットは成長の原動力にはなりえない。製品力こそが成長力回復の生命線であるものの、新中期成長戦略が公表されてから後ろ向きなニュースが目につく。最大は、2013年12月に発表されたファシグリファム(TAK-875)の開発中止(グローバルでのフェーズⅢ)ではないだろうか。ファシグリファムは、GPR40作動薬。自社創製品で、新規の作用機序を有した候補であることから、同社の今後の収益を担う主力製品に位置付けられていた。ファシグリファムはスルホニルウレア系薬剤とは異なり、グルコース濃度に依存してインスリンの分泌を促す。このため、低血糖という副作用の発現率が低く、血糖コントロールが実現できると期待されていた。発売にこぎ着ければ競合他社はおらず、独占市場であった。さらに、14年6月には自社創製品である17、20-リアーゼ. 阻害薬のオルテロネル(TAK-700)も開発中止となった。17、20-リアーゼ. 阻害薬では2番手であるも、同社が強い泌尿器科領域の前立腺がん治療薬としての開発品であることから期待されていた。

これら2つの自社創製品は15年度以降に収益に貢献するとしていたことから、新中期成長戦略に掲げた目標である17年度までの年平均成長率1ケタ台半ばの成長、営業利益は年平均成長率20%以上を達成するには、計画以上に他の製品が売上げを伸ばすか、開発後期にある候補を買い取るか、または、その企業を買収するしか方法はない。

武田薬品が示す今後のグローバル自社品はべドリズマブ(MLNO002)、アリセルチブ(MLN8237)、クエン酸イクサゾミブ(MLN9708)であり、コード番号が示す通り8800億円という金額で買収したミレニアム・ファーマシューティカルズ社起源の製品/候補品がある。ただし、武田薬品の現状は厳しく、やはりパイプラインの手当てが必須だ。ましてや消化器領域や中枢神経領域を柱として戦略を打ち出すならば、消化器領域では炎症性腸疾患以外の製品、中枢神経領域ではグローバルで展開できる製品の導入、もしくはM&Aによるパイプラインの拡充が不可欠である。また、国内においても、営業トップの座を死守し、影響力を堅持するためには、M&Aに動かざるを得ない状況に追い込まれているのではないだろうか。

現状、武田薬品は、消化不良であってもM&Aで食べ続けなければいけない状況にあるといえるだろう。消化器領域のリーダーを目指す企業には、少々皮肉な状況ともいえる。盟主の復活なくして、業界にも活気はもどらない。消化に強い武田薬品の復活が待ち望まれる。

 

<表 武田薬品の消化器領域の主な候補品の状況> 

武田薬品の消化器領域の主な候補品の状況_写真

(↑ 図をクリックすると別ウィンドウでPDFが開きます)

 

※ 本記事は『国際医薬品情報』(国際商業出版株式会社 発行)に掲載されています。国際商業出版株式会社様のご厚意によって、当社のホームページでも紹介させていただくものです。当該記事の無断転載は禁じられています。また無断複写・複製は著作権法上の特例を除き禁じられています。

 

 

 

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