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日常生活に潜むPFASを避けるには?消費者ができる工夫や習慣

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投稿日:2024年8月26日

天然水

PFAS(有機フッ素化合物)は、世界中で規制が強化されつつある残留性有機汚染物質の一つです。

PFASは、日常生活のあらゆる場面で使用されてきた化学物質ですが、近年の研究データによってヒトの健康に影響を及ぼす可能性が高いことが明らかになっています。

そのため、経口摂取や皮膚からの吸収によるPFASのばく露を防ぐためには、日常生活の工夫や習慣改善が必要になります。

この記事では、消費者が日常生活に潜むPFASを避けるための正しい知識について解説します。

 

INDEX

 

 

PFAS(有機フッ素化合物)とは

科学実験

PFASとは、炭素とフッ素を人工的に合成して作った化学物質であり、約1万種類以上が存在するとされています。近年の研究ではPFASがヒトの健康に影響を与える可能性が確認されており、世界的に使用や製造などを制限する動きが強まっているため注意が必要です。

PFASについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

 

【関連記事】PFAS(有機フッ素化合物)とは?特徴から問題点、規制の最新動向まで

pfas

 

 

PFASの特性

PFASは、難分解性・高蓄積性・長距離移動性などの性質を持っており、一度環境中に放出されると永続的に存在し続けることから「永遠の化学物質(フォーエバー・ケミカル)」とも呼ばれています。

一部のPFASは、撥水性や撥油性、高い耐熱性、化学的安定性を持っていることから、撥水剤や泡消火薬剤として使用されてきました。

 

PFASが健康に与える影響

食品安全委員会が公開している「評価書 有機フッ素化合物(PFAS)令和6年2月」によると、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ペルフルオロオクタン酸)が人の健康に与える影響として、以下の4つが指摘されています。

 

  • 血清ALT値(肝機能の異常を示す数値)の増加
  • 血清総コレステロール値の増加
  • 出生体重の低下
  • ワクチン接種後の抗体応答の低下

 

評価書の中では、これらの影響について「PFOSやPFOAとの関連性は否定できない」と記載されています。PFASの毒性評価については、アメリカや欧州を中心に世界各国の研究機関が調査を進めており、将来的により詳細な健康への影響が明らかになっていくと予想されています。

 

 

生活の中でPFASを避ける方法

魚

PFASは消費者の生活における多くの場面で使用されています。そのため、身近な日用品に意識を向けて生活しなければ、自分でも気付かないうちにPFASを体内に取り込んでしまう可能性があります。ここからは、消費者の生活においてPFASを避ける方法について解説します。

 

水道水に含まれるPFASを避ける方法

2020年に厚生労働省は、水道水に含まれるPFOS及びPFOAの合算値を50 ng/L以下とする暫定目標値を設定し、水道事業者等による管理をお願いしています。

しかし、過去に日本の水道水で厚生労働省の定める暫定目標値を超えるPFASが検出された事例も確認されています。

そのため、水道水に含まれるPFASを除去するための対策を行うことで、より安心して水道水を飲めるでしょう。

2023年1月に開催された「PFOS・PFOA に係る水質の目標値等の専門家会議(第1回)」で公開されている資料「WHO飲料水水質ガイドライン作成のための背景文書」では、PFASについて高い除去を行える方法として、高圧膜ろ過処理、イオン交換樹脂処理、活性炭処理による吸着プロセスなどが挙げられています。

現状では、高圧膜処理やイオン交換樹脂、活性炭による吸着プロセスを活用した浄水器が、水道水に含まれるPFASを避ける対策として効果的である可能性が高いと推測されます。

 

魚に含まれるPFASを避ける方法

農林水産省が2023年12月に更新した「食品安全に関するリスクプロファイルシート(化学物質)」では、人が食品を介してPFOSやPFOAを体内に取り込む際の主な摂取元は、魚介類であると記載されています。

PFASを含む水域で育った魚介類は、ばく露の影響を受けている可能性があります。そのため、特に魚介類を食べる際には注意する必要があるでしょう。

魚に含まれるPFASを避ける対策としては、PFASが検出されている水域で獲れた魚介類をできる限り食べないようにする方法があります。

環境省では、全国規模でPFASの水質測定を行っています。それらのデータを参考に汚染の影響が少ない水域で獲れた魚介類を選ぶことで、ばく露リスクを抑えられる可能性があります。

 

消費者製品に含まれるPFASを避ける方法

健康に影響を及ぼすとされているPFOS・PFOAなどの一部のPFASは、撥水剤や撥油剤などの用途で多くの消費者製品に使用されてきました。

近年では、製品そのものや製造工程においてPFASの不使用を証明するPFASフリー商品が、一部の企業やメーカーから販売され始めています。

特に調理器具や化粧品は直接体内に取り込まれやすい用途で使用するため、できる限りPFASフリー製品を選択することで、PFASが体内に入るリスクを避けられる可能性が高くなるでしょう。

ただし、PFASフリーの基準については厳密なルールが存在せず、販売元によって定義や認識が異なるケースがあるため注意が必要です。

 

 

生活中でのひと工夫でPFASのリスクを避けよう

一度体内に取り込まれたPFASは、体外に自然排出されることなく長期間蓄積し続けます。近年の研究では一部のPFASが人体に影響を及ぼす可能性が示唆されているため、できる限りPFASを体内に取り込まないように工夫することが大切です。

国際的なPFASの規制動向によっては、今後消費者の関心もさらに高まっていくことが予測されます。製造・生産に携わる方は、国内外のPFAS関連情報に目を向けて対応策を考えることが重要です。

 

 

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記事の監修者

ユーロフィン日本環境株式会社 藤田 潤さん

ユーロフィン日本環境株式会社

ラボラトリー事業部 POPsグループ

PFAS・PCBチーム 藤田 潤

<経歴>

2021年 神奈川大学 理学部 卒業

クルマエビの卵巣成熟度を評価する新たな指標遺伝子の探索について研究を行う。
卒業後、株式会社アルプスビジネスサービスに入社し、絶縁油に含まれるPCB分析を携わる。
2022年よりユーロフィン日本環境株式会社でPCB分析を行い、2023年よりPFAS分析に従事。

<発表>

2023年9月 第30回日環協・環境セミナー全国大会「水中の揮発性PFAS分析法の検討」
資料はこちらからダウンロードいただけます。

 

 

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