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撥水加工に使用されるPFASとは?PFAS非含有の撥水剤が増える理由

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投稿日:2024年11月21日

PFAS 撥水加工

PFAS(有機フッ素化合物)は、撥水加工などに広く使用されてきた化学物質の一つです。高い汎用性を誇る一方で、近年では環境やヒトへの影響が懸念されており、世界各国でPFASの製造・流通・使用を規制する動きが強まっています。

各国の法規制に対応するため、一部の企業やメーカーではPFAS非含有の撥水剤なども開発されています。この記事では、撥水加工に使用されているPFASの解説や、PFAS非含有の撥水剤が増加している背景について解説します。

 

INDEX

 

PFAS(有機フッ素化合物)とは

実験器具

PFASは、炭素とフッ素を人工的に合成して作った化学物質です。約1万種類以上が存在するとされており、撥水性や撥油性、熱に対する耐性、化学的安定性が高いといった特徴を持っています。

その性質を活かし、過去には撥水加工剤や電子機器の材料など、様々な用途に使用されてきました。PFASには難分解性・高蓄積性・長距離移動性といった物性があり、一度環境中に放出されたPFASは自然界で分解されにくく、長期間残存し続けることが問題視されています。

PFASについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

 

 【関連記事】PFAS(有機フッ素化合物)とは?特徴から問題点、規制の最新動向まで

pfas

 

 

PFASの特徴と用途

PFASは、撥水・撥油性、熱・化学的安定性の高さを生かして、様々な用途で使用されてきました。

具体的には、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)は、半導体用反射防止剤・レジスト、金属メッキ処理剤、泡消火薬剤などに使用されています。また、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)については、フッ素ポリマー加工助剤、界面活性剤などに使われてきました。

 

FASが健康に与える影響

PFASが人体に与える影響について、現在も世界中で研究が進められています。日本では、食品安全委員会が「評価書 有機フッ素化合物(PFAS)令和6年2月」を公開しており、その中でPFASがヒトの健康に与える影響について、以下の見解を示しています。

 

食品健康影響評価のまとめ
PFOS及びPFOAについて、疫学研究で報告された血清ALT値の増加、血清総コレステロール値の増加、出生時体重の低下、ワクチン接種後の抗体応答の低下との関連は否定できないと評価した。

引用:評価書 有機フッ素化合物(PFAS)(令和6年(2024年)2月)|食品安全委員会

 

PFASが人体の健康に与える影響について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

 

関連記事:PFASが人体に及ぼす影響は?健康リスクや国内の汚染事例

悩む女性

 

PFASが規制される理由

各国の研究データによって人体や生物に与える影響が徐々に明らかになっており、一部のPFASは研究期間による毒性評価も進められています。

健康への影響が示唆される一部のPFASは世界的に規制の議論が進み、POPs条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)によってPFOSが制限対象、PFOAが廃絶対象として附属書に掲載。その後は各国の法律によって使用や輸出入が禁止されています。

 

 

撥水加工にPFASを使用した製品

合羽 撥水加工

現代において撥水加工を施された製品は数多くあります。PFASは撥水性の高さから、撥水加工剤として広く利用されてきました。製造工程にPFASを使用した製品の事例は以下の通りです。

 

  • 雨具
  • アウトドア用品
  • 衣服
  • 作業着
  • 化粧品
  • デンタルフロス
  • ベビー用品
  • 家具
  • 調理器具
  • カーペット
  • 繊維技術
  • 泡消火薬剤

 

現在国内においては、化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)によってPFOS、PFOA、PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)の製造・製品への使用が禁止されており、意図しない混入を除いて製品に含有されることはなくなっています。

ただし、代替物質として化審法の規制対象になっていないPFASが使用されている可能性はあります。

 

 

PFASを含まないコーティング剤も増加

パーカー 撥水加工

近年世界中で加速しているPFAS規制の流れを受けて、一部の企業ではPFASを含まない撥水コーティング剤も開発されています。

すでに商品化に成功して販売している企業もあるため、多くの人がPFAS非含有の撥水コーティング製品を選択できる機会が増えつつあります。

 

 

今後PFASフリーの撥水加工製品が増えることが予想される

現在、世界中でPFASに対する関心が高まっています。日本でもPFAS関連のニュースを耳にする機会が徐々に増えており、消費者もPFAS非含有の製品を選ぶ可能性が高いと予想できます。

特に撥水加工が施された調理器具や衣類などは消費者の生活に密接しており、経口摂取や皮膚から直接触れる機会も多い製品です。消費者の健康意識が高まるにつれて、PFASフリーの撥水加工製品が増加していく可能性は高いでしょう。

 

 

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記事の監修者

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ユーロフィン日本環境株式会社
PFAS MEDIA編集部

PFAS分析を行うユーロフィングループのネットワークを活かして、国内外の様々なPFASにまつわる情報を配信しています。

 

 

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