JavaScript is disabled. Please enable to continue!
Mobile search icon
PFAS MEDIA >> PFAS FREE商品 >> フッ素加工のフライパンは危険?PFAS(有機フッ素化合物)との関係を解説

フッ素加工のフライパンは危険?PFAS(有機フッ素化合物)との関係を解説

Sidebar Image

投稿日:2024年2月28日

コンロ上のフライパン

私たちの生活には様々な工業製品が使われています。基本的には安全性が確認された上で市場に出回るため、適切に使うなら特に問題ありません。しかし、環境問題に関する研究データが見直され、当初は問題がなくても後に危険性が発覚するといった事例は起きています。今回は気になる話題の一つである、フッ素加工のフライパンの危険性について、PFAS(有機フッ素化合物)の問題と絡めながら詳しく解説します。

 

INDEX

 

 

フッ素加工のフライパンが危険と言われる理由

「フッ素加工のフライパンは危険だから使わないほうが良い」と聞いたことがある人もいるでしょう。しかし、その理由まで正確に知っている人は少ないかもしれません。本章では、フッ素加工のフライパンが危険と言われる理由を3つ紹介します。

 

コーティングがはがれ口に入ると危ないから

フッ素加工のフライパンが危険と言われる理由の一つに「使ううちにコーティングがはがれて食べ物とともに口に入り、有害物質が蓄積されるから」があります。ただし、実際のところ、そこまで危険とは断言できません。

ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、消費者向け情報ページ「焦げ付き防止コーティング調理器具に関するQ&A」において、フッ素加工のフライパンを含むコーティング調理器具について「はがれ落ちたコーティングの薄片を飲み込んだとしても、体に吸収されず体内をそのまま通過し、体内でいかなる毒性反応も引き起こさないため、体に有害な影響はない」と表明しています。

ただし、はがれたコーティングの中に、金属部分のさびなど体に有害な成分が混じっている可能性はあります。フッ素加工のフライパンを使うなら、コーティングがはがれ始めたら早めに処分しましょう。

 

熱し過ぎると有毒ガスが出るから

フッ素加工のフライパンは、使い方を誤ると事故が起きる可能性があるため注意しなくてはいけません。

同じく「焦げ付き防止コーティング調理器具に関するQ&A」において、フッ素加工フライパンのコーティング剤であるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)は、360 ℃以上に達すると有害な蒸気が発生し、吸い込むとインフルエンザのような症状が出ると言及しています。

中華料理など強火で熱する料理には、念のためにフッ素加工のフライパンは使わないほうが良いでしょう。

 

PTFEとPFASを混同している人が多いから

「フッ素加工のフライパンにはPFASが使われているから危険」と考える人もいますが、こちらの情報は正しいのでしょうか。
実際のところ、フッ素加工のフライパンに使われているPTFEはPFASの一部ですが、発がん性が指摘されているPFASの一種、PFOA(パーフルオロオクタン酸)とはまったくの別物です。PTFEは高温になると有毒ガスを発生させますが、加熱していない状態では特に危険性はありません。
また、PFASは1万種類以上ある有機フッ素化合物の総称であり、そのすべてに毒性が認められているわけではありません。ただし、PFOAやPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)など、毒性が明確に認められ、使用・製造が禁止されたPFASもあります。

 

 

PFAS規制が行われる理由を正しく知ろう

PCで検索イメージ

フッ素加工のフライパンの話からも分かるように「〇〇は危険」「〇〇は規制対象」という報道があったとしても、背景や理由を正確に理解できていないことは往々にしてあり得ます。PFASについても、規制が行われる背景や理由を正しく知っておきましょう。

 

PFASは分解されづらく毒性もある

PFAS規制が行われる主な理由は、PFASが環境中で分解されづらく、毒性も確認されているからです。

PFASとは、有機フッ素化合物の総称です。人工的に炭素とフッ素を結合させて作った物質であり、熱に強く、水や油を弾く性質もあるので、生活用品から工業製品まで様々な用途に使われてきました。

PFAS使用製品一例

しかし、PFOSやPFOAには発がん性が認められるなど、一部のPFASは毒性が懸念されているのも実情です。

また、PFASは炭素原子とフッ素原子が強力に結びついた、環境中で自然に分解されにくい物質です。無制限に使用・製造を続けていくと、土壌や地下水、河川、湖沼などに残留し、水や農作物を摂取した人の体内に蓄積するなどの弊害が生じるため、日本を含めた各国が規制に動いています。

 

ただちに健康に影響があるわけではない

PFASを含む水を飲んだとしても、ただちに健康に影響があるわけではありません。
PFOAおよびPFOSについて、日本では水道水の残留値を50 ng/L以下(PFOS及びPFOAの合計値)に設定しています。これは、体重50 kgの人が2 Lの水を亡くなるまで毎日飲んだとしても、その人の健康に悪影響は生じないと考えられる値です。
日常生活において神経質になりすぎる必要はありませんが、海外旅行時には生水を飲まないようにしたり、お住まいの自治体からの広報やニュースをチェックしたりするなど基本的なことには気を付けましょう。

 

 

安全性の高いPFAS FREEの商品を選ぼう

木製ブロックで並べた「CHOICE」

PFASの全てに発がん性などの毒性があるとは断言できませんが、環境に負荷をかける物質であることは確かです。可能な範囲でPFASを使用していない「PFAS FREE」の商品を選びましょう。

例えば、以下の種類のフライパンはフッ素加工が施されておらず、比較的安全性の高い製品となっています。

  • 鉄フライパン
  • セラミックフライパン
  • ガラス製フライパン

 

 

怖がるよりも正しく知ることが重要

木製テーブルの上にある料理とフライパン

PFASの規制を含め、化学物質が関連する報道や噂は「何かよくわからないけど怖い」というイメージを抱きやすいものです。しかし、「自分たちの生活にどう影響するのか」「どうすれば影響を和らげられるか」を念頭に置いて正しい知識を得られれば、必要以上にネガティブなイメージに振り回されなくなります。「今のフライパンが壊れたら、次はPFASフリーのフライパンを買おう」というように、余裕をもってとらえられるようになるはずです。

 

 

ユーロフィンのPFAS分析についてはこちらからお問い合わせください

お問い合わせ

 

 


【参考資料】

 

 

記事の監修者

eurofins

ユーロフィン日本環境株式会社
品質保証グループ

第三者分析機関としての信頼性や適合性を担保するために、品質システムの整備や監視活動に従事。特に、当社では分析実施項目の大部分でISO/IEC 17025の認定を取得し、PFASについてもISO/IEC 17025認定を取得しており、それら認定の維持管理を主要業務としている。また、国内外のグループ会社と連携した相互監査や技能試験評価、品質会議など、世界中に展開しているEurofinsグループの強みを活かした取り組みも実施。